manpages/ja/persistence.conf.ja.5

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   6 .TH LIVE\-BOOT conf 2015\-01\-04 5.0~a1\-1 "Live システムプロジェクト"
   7
   8 .SH 名前
   9 \fBpersistence.conf\fP \- live\-boot 状態保持用メディアの設定ファイル
  10
  11 .SH 説明
  12 live\-boot が「persistence」というラベル (GPT の名前やファイル名も含みますがここからは「ラベル」と呼びます)
  13 を付けられた保持用ボリュームを調査するとき、そのボリュームの保持方法はそのファイルシステムの最上部に置かれた \fBpersistence.conf\fP
  14 ファイルにより全面的に独自化できます。こういったラベルを付けられたボリュームにはそういったファイルがないといけません。ない場合は無視します。
  15 .PP
  16 \fBpersistence.conf\fP の形式では空行や「#」で始まる行 (コメント用)
  17 を両方とも利用でき、そういった行は解釈されず無視されます。いわゆる「独自マウント」は
  18 .PP
  19 .RS
  20 \fIディレクトリ\fP [\fIオプション\fP]...
  21 .RE
  22 .PP
  23 の形式で、大まかに言い換えると「\fIオプション\fP一覧により指示した方法で\fIディレクトリ\fPを保持する」ということになります。
  24 .PP
  25 独自マウントそれぞれについて\fIディレクトリ\fPには絶対パスを使う必要があり、空白文字や特別なパスである「.」や「..」を含めること、/live
  26 (やそのサブディレクトリ) を使うことはできません。Live ファイルシステムの\fIディレクトリ\fPに対するあらゆる変更 (ファイルの削除や作成、変更)
  27 はそれを有効にした段階でソースディレクトリと呼ばれる保持用メディアの\fIディレクトリ\fPに相当するパスに持続的に保管されます。保持を実現するデフォルトの方法は対応するソースディレクトリを\fIディレクトリ\fPに対して単純にバインドマウントする方法ですが、これは\fIオプション\fPを使うことで変更できます。
  28 .PP
  29 独自マウントは全て順番に行われるため、2つの独自マウントで互いに「隠す」ようなことはできません。例えば2つの\fIディレクトリ\fP /a と /a/b
  30 があるとすると、この場合は常にまず /a がマウントされ、それから /a/b がマウントされます。これは \fBpersistence.conf\fP
  31 の他の行の順を問わず成り立ち、異なる保持用メディアにある複数の \fBpersistence.conf\fP
  32 ファイルを同時に使う場合でも同様です。しかし、独自マウントではソースディレクトリを別の独自マウントのソースディレクトリ内にすることは禁止されているため、live\-boot
  33 により自動生成されたソースディレクトリは同一のメディアでの /a と /a/b のような「入り組んだ」マウントをサポートしません。この場合は
  34 \fBsource\fP オプション (以下参照) を使い、対象ディレクトリが必ず異なるソースディレクトリにあるようにしないといけません。
  35 .PP
  36 特定の独自マウントのソースディレクトリが保持用メディアに存在しない場合は自動的に作成され、その\fIディレクトリ\fPにふさわしい権限と所有がセットされます。\fIディレクトリ\fPの内容を保持用メディアのソースディレクトリにコピーすることでもこの自動処理は行われます。\fBlink\fP
  37 や \fBunion\fP オプション (以下参照) を使った場合はこの自動処理は行われません。
  38
  39 .SH オプション
  40 \fBpersistence.conf\fP で定義する独自マウントでは以下のオプションをコンマで区切った一覧の形で受け付けます:
  41 .IP \fBsource\fP=\fIパス\fP 4
  42 指定した場合は保持用メディアの\fIパス\fPに保持内容の変更を保管します。\fIパス\fPは (その保持用メディアのルートからの)
  43 相対パスを使う必要があり、空白文字や特別なパスである「.」や「..」については、「.」だけが単体で使われたときにはその保持用メディアのルートを指しますが、その例外を除いて含めることができません。このオプションが関連するのはほとんどが、これ以外ではエラーを引き起こす入り組んだ独自マウントにしたい場合、またはメディア全体のルートを利用できるようにしたい場合です
  44 (現在では非推奨となっている \fBhome\-rw\fP という種類の保持に似ています)。
  45 .PP
  46 以下のオプションは相互に排他です (効果があるのは最後に指定したものだけです):
  47 .IP \fBbind\fP 4
  48 ソースディレクトリを\fIディレクトリ\fPにバインドマウントします。これはデフォルトです。
  49 .IP \fBlink\fP 4
  50 ソースディレクトリのディレクトリ構造を保持用メディアの\fIディレクトリ\fPに作成し、\fIディレクトリ\fPの対応する位置からソースディレクトリの各ファイルに向けてシンボリックリンクを作成します。リンクと同一名の既存のファイルやディレクトリは全て上書きされます。\fIディレクトリ\fP内にあるリンクの削除はリンクを削除するだけで、ソースの対応するファイルは削除しないことに注意してください。削除したリンクは再起動後には再び現れます。ファイルを恒久的に追加、削除するにはソースディレクトリで直接その作業を行わないといけません。
  51 .IP
  52 事実上、\fBlink\fP
  53 は既にソースディレクトリにあるファイルだけを保持し、\fIディレクトリ\fPにあるそれ以外のファイルは保持しません。保持するファイルをこのオプションの対象とするには手作業によりソースディレクトリに追加する必要があり、そうすることで\fIディレクトリ\fPに、既にそこにあるファイルに加えて現れるようになります。このオプションは特定のファイルだけを保持する必要があり、それがあるディレクトリ全体が必要ではない場合、例えばユーザのホームディレクトリにある設定ファイルの一部を保持する場合に有用です。
  54 .IP \fBunion\fP 4
  55 Save the rw branch of a union on the persistence media, so only the changes
  56 are stored persistently. This can potentially reduce disk usage compared to
  57 bind\-mounts, and will not hide files added to the read\-only media. One
  58 caveat is that the union will use \fIDIR\fP from the image's read\-only file
  59 system, not the real file system root, so files created after boot (e.g. by
  60 live\-config) will not appear in the union. This option will use the union
  61 file system specified by live\-boot's \fBunion\fP boot parameter.
  62
  63 .SH ディレクトリ
  64 .IP \fB/live/persistence\fP 4
  65 保持用ボリュームは全てここで (デバイス名に対応するディレクトリで) マウントされます。\fBpersistence.conf\fP
  66 ファイルはこのマウントや任意のソースディレクトリから (\fBlink\fP オプションを使った独自マウントではこちらが特に実用的) 簡単に編集できます。
  67
  68 .SH 例
  69
  70 保持用ボリューム \fIVOL\fP があり、その \fBpersistence.conf\fP ファイルに以下の4行を収録しているものとしましょう
  71 (番号は参照しやすいように付加しています):
  72 .TP  7
  73 1.
  74 /home/user1 link,source=config\-files/user1
  75 .TP
  76 2.
  77 /home/user2 link,source=config\-files/user2
  78 .TP
  79 3.
  80 /home
  81 .TP
  82 4.
  83 /usr union
  84 .PP
  85 それぞれに対応するディレクトリ:
  86 .TP  7
  87 1.
  88 \fIVOL\fP/config\-files/user1 (ただし \fBsource\fP オプションを指定しない場合は \fIVOL\fP/home/user1)
  89 .TP
  90 2.
  91 \fIVOL\fP/config\-files/user2 (ただし \fBsource\fP オプションを指定しない場合は \fIVOL\fP/home/user2)
  92 .TP
  93 3.
  94 \fIVOL\fP/home
  95 .TP
  96 4.
  97 \fIVOL\fP/usr
  98 .PP
  99 1と2の例では \fBsource\fP オプションをセットする必要があります。そうしないと3のソースと入り組んでしまい不正となるためです。
 100 .PP
 101 1行目と2行目の独自マウントが3行目によって隠されるのを回避するため3行目は1行目と2行目よりも先に処理されます。3行目が処理された時点で
 102 \fIVOL\fP/home は単純に /home
 103 に対してバインドマウントした状態になります。1行目と2行目で起きたことを説明するため、以下のファイルが存在するとしましょう:
 104 .TP  7
 105 a.
 106 \fIVOL\fP/config\-files/user1/.emacs
 107 .TP
 108 b.
 109 \fIVOL\fP/config\-files/user2/.bashrc
 110 .TP
 111 c.
 112 \fIVOL\fP/config\-files/user2/.ssh/config
 113 .PP
 114 それにより作成されるリンクやディレクトリ:
 115 .TP  7
 116 リンク:
 117 /home/user1/.emacs \-> \fIVOL\fP/config\-files/user1/.emacs (a の場合)
 118 .TP
 119 リンク:
 120 /home/user2/.bashrc \-> \fIVOL\fP/config\-files/user2/.bashrc (b の場合)
 121 .TP
 122 ディレクトリ:
 123 /homea/user2/.ssh (c の場合)
 124 .TP
 125 リンク:
 126 /home/user2/.ssh/config \-> \fIVOL\fP/config\-files/user2/.ssh/config (c の場合)
 127 .PP
 128 別の主張があるかもしれませんが、上記の \fBpersistence.conf\fP ファイルの例では3行目が既に /home
 129 の全てを保持対象としているため1行目と2行目は不要です。\fBlink\fP
 130 オプションはディレクトリ全体を保持したいのではなく、そのディレクトリ中やサブディレクトリにある特定のファイルを保持したいという状況を対象としています。
 131 .PP
 132 4行目はその\fIディレクトリ\fP (とソースディレクトリ)
 133 が他のどの独自マウントとも完全に分離しているためいつでもマウントできます。マウントすると、\fIVOL\fP/usr は \fBunion\fP
 134 オプションが指定されているため rw
 135 ブランチになり、元の読み取り専用ファイルシステムと比較した差分だけが収録されます。そのため、バインドマウントと比較すると容量の面で非常に効率良くパッケージを
 136 /usr にインストールできます。これは後者では初期の自動処理で /usr 全体を \fIVOL\fP/usr にコピーする必要があるためです。
 137
 138 .SH 関連項目
 139 \fIlive\-boot\fP(7)
 140 .PP
 141 \fIlive\-build\fP(7)
 142 .PP
 143 \fIlive\-config\fP(7)
 144 .PP
 145 \fIlive\-tools\fP(7)
 146
 147 .SH ホームページ
 148 live\-boot 及び Live
 149 システムプロジェクトについてのさらなる情報は、<\fIhttp://live\-systems.org/\fP> のホームページや
 150 <\fIhttp://live\-systems.org/manual/\fP> のマニュアルにあります。
 151
 152 .SH バグ
 153 バグは <\fIhttp://bugs.debian.org/\fP> にあるバグ追跡システムに live\-boot
 154 パッケージのバグ報告として提出するか、<\fIdebian\-live@lists.debian.org\fP> にある Live
 155 システムのメーリングリスト宛てにメールを書くことにより報告できます。
 156
 157 .SH 作者
 158 live\-boot は Daniel Baumann さん <\fImail@daniel\-baumann.ch\fP> により書かれました。